柴犬飼いならずとも
一度は聞いたことがあるかもしれない
「柴犬は小さいうちに力で抑えないといけない」
「柴犬はガツンとやらないととんでもない犬になる」
こんなこと。

あまりにも幼い柴犬を
ペットショップで購入したら
甘噛みが激しくてそんなとき

ごはんにおもちゃに執着して
飼い主でさえ寄せ付けない
そんなとき

こういうしつけ方法を耳にして
そうまでしなくちゃいけないのかと
でも本当にそうなのかもと
つい心を揺さぶられることがあります。

そこで柴犬を「力でしつける」って?
ということについて
考えてみたいと思います。

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・室内飼いしたい
・家族として一緒に過ごしたい
・一緒に寝たい
・家族みんなと仲良くしてほしい
・お散歩友達も欲しい
・たまにはカフェにも連れて行きたい
・旅行にも連れて行きたい
・あまり吠えないでほしい
・イベントにも参加してみたい
・ゆったりお散歩したい

もしこの中にひとつでも当てはまるものがあるなら
柴犬を「力でしつける」ことは決してやってはいけません。

昔はそうやってガツンと力でしつけたんだって
そういう人もいるでしょう。

昔?

そうですね、そのとききっと柴犬は外飼いで
飼い主との接点は
ごはん、散歩、そしてたまに飼い主の気が向いたときだけで
そのほかの時間は
ひとりでゆっくり過ごしていたことでしょう。

たとえ力で押さえつける
怖い怖い飼い主がいたとしても
ごはんの時にちょっとオテやマテでもしてお愛想してやれば
飼い主もそれ以上かまうことなく
そっとしておいてくれたでしょう。

怖い怖い飼い主も
1日のうちでほんの数時間
我慢すればよかったのです。

でももし。

いつも同じ空間にいる
飼い主が怖かったら
犬はどうすればいいのでしょう?

精神的に強いタイプの犬は
そんな中でも飼い主のご機嫌をとりつつ
穏やかに暮らしていけたりもします。

内心はビクビクかもしれませんが。

柴犬は往々にして
とっても繊細なタイプが多いのです。

怖い怖い飼い主が
四六時中一緒にいる空間に
とても耐えられないことが多いのです。

いま側にいる飼い主が
いつ豹変してまた「力」で襲いかかってくるか
わかったものではありません。

無差別に力を行使することなんてないと
思っているのは飼い主だけです。

いま自分をなでているその手が
いつ自分を引きずり倒すかわかりません。

その恐怖の時間の連続に
耐えられなくなった柴犬は
なでられているのに怖いのです。

彼らは生きるために牙を剥きます。

彼らが牙を剥くとき
それは恐怖の表れです。

行動が攻撃的に見えるから
それが防御だとは思われなくても
ただ自分を守りたい一心だっただけなのです。

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そんな柴犬をさらに「力」でしつけるとどうなるでしょう?

飼い主的に「うまくいけば」
心を殺すか壊すかして
奴隷のように従ってくれる
柴犬が出来上がるかもしれません。

でもほとんどの柴犬は
その状況に耐えられません。

さらに防御行動に出るだけです。

おとなしく飼い主に媚びへつらえば
「力」で押さえられることはなかったとしても
繊細な柴犬はその恐怖に耐えられません。

柴犬に与えるべきは
力に訴える飼い主の威厳(しかも犬には意味不明)では
ありません。

安心感、安定感、それだけです。

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「この飼い主は絶対に自分を傷つけない」
それさえ理解してもらえたら
とっても飼いやすい犬種です。

猫という動物は
環境さえ整えてやったら
とても飼いやすい動物なのですが
それと同じくらい
環境さえ与えてやれば
とってもとっても飼いやすい犬種です。

日本人好みの「あ・うん」の関係が
築ける犬種です。

あなたは自分の柴犬を
「奴隷」にしたいのか
それとも「家族」にしたいのか?
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どうかちまたの「力でしつける」論理に
惑わされる柴犬飼いがひとりでも
出ませんように。

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