うちにいる猫4匹はみな保護したコばかりなのですが
保護してまずいちばんにやることは
温度湿度、明るさ静けさなどに注意して
そのコの安全地帯となる場所を作って
水やごはんを与えたらあとはもう
そっとしておいてやること。
見ない見ない
間違っても
「かわいそうに!お外で大変だったね!」
なんて抱きしめたり撫でたりはしません。
なーんて、今なら思うのですけど
この「そっとしておいてやる」っていうのが
なかなか人間できないんですよね(笑)
初めてコタローを迎えたときなんですけど
いじくりまわしちゃったものね(汗)
今思えば家族で抱っこしまくるんじゃなくて
ケージやサークルで安心安全な場所を作った上で
キケンなものを片づけた安全な部屋の中で
ケージの扉を開放して
もっと自分の足で歩きまわらせてやればよかったなぁ。
じっとしてるのも探検するのも自分の意志で自由に。
でもそっとしておいてやる、ということと
無視するのとは違うし閉じ込めるというのとも
当たり前ですが全然違います。
もう数年前ですけど
2週間はケージから出さないでくださいって
いうショップもあったそうですね(しかもかなり大手)。
そりゃー虐待だよ・・・。
犬や猫、その他の動物にとって
何より重要なのは安心ってことだと思うのです。
いくら愛情持って抱きしめても
犬や猫は安心してくれません。
特に信頼関係の不十分な相手からは。
人間が犬を迎えるときは
一生家族になるって決めたのですから
すでにそのコを愛しちゃってる場合が多いですが
一方で犬の方はこちらに対する愛情なんて
一片も持ってないことが当たり前。
悪くすると人間に対して
いい感情を持ってない場合もあるのに
なぜか人間は犬が自分を愛してくれてて当たり前と
勘違いしちゃうんですよね。
だから噛まれたりひっかかれたり逃げられたりすると
ショックを受けちゃう。
「私のこと好きじゃないの?」って。
うん、たぶん好きじゃないのよ・・・。
(少なくともこの時点では)
犬(猫にも)まず与えてやらねばならないのは
「安心」だと思うのです。
飼い主の側が安心、飼い主の腕の中が安心、
というようになってもらいたいという方もいますが
それはまだまだ先の話。
まずはひとりで落ち着ける場所で「安心」を感じられること。
誰にも(たとえ飼い主にも!)不快な思いをさせられない「安心」。
それができたら次は飼い主(家族)から「安心」を感じられること。
そこでも「愛情」はまだ早い(笑)。
この人間は大きな音を出さない。
この人間は大きな動作をしない。
この人間は怖いことをしない。
この人間は不快なことをしない。
とかちっちゃい積み重ねで
飼い主=安心(危険じゃない)と感じてもらえたら
やっとこさ愛情の出番ですかね。
というか、この段階に来てる頃には
犬から愛情を求めてくるようになってるでしょうから
まずはそれに応えること。
撫でてほしけりゃ寄ってくる~
けっして過剰な愛情(表現、行動)を犬に与えないこと。
犬にとって「不快な愛情」は慎むこと。
抱きしめる、ほおずりする、キスする・・・。
たぶんみんな「不快」です。
少なくともこの時点では。
とはいえ、お世話する上で
犬には不快なこともやらなくちゃいけないわけですが
ちょっとずつ慣れてもらいながら
それはもう手早くやるしかないですよね。
でもそこでも過剰な愛情からくる過剰なお世話は
犬には不快だったりするので要注意ですね。
で、こうやって順調にこれた場合はいいのですが
環境や飼い主に対する安心が不足したままで
過剰な愛情を与えられた場合。
犬も愛情豊かな動物ですから
人間からの愛情をうれしく思うものです。
不快な愛情表現があっても
嬉しい愛情表現もあれば
犬の中にも飼い主に対する愛情が育ってきます。
でもふと、不安になるんじゃないかと。
愛情を感じながらも安心を感じられない
とてもバランスの悪い状態になるんじゃないかと
思うのです。
すり寄ってくるのにいきなり噛む・咬むとか
そういう犬と飼い主さんのペアの話を
ほんとによく聞きます。
そういう犬たちを見ると
コタローよりずっと飼い主に対する愛情表現が豊かです。
すごく甘えてくる犬もいます。
でもふとした拍子に噛むんですって。
何も過去に虐待されたとか
たたかれたとかそういうわけじゃなくても
急に手に噛みつくとかね。
そういうコは自分でも混乱してるんじゃないかな・・・。
かわいがってもらいたい
でも怖い(or 不安)。
甘えんぼな一面があるけど
いきなりシャー!って噛みつき猫パンチ。
触るにゃよ
こういうコは乱暴だから
つい人間側も乱暴に扱っちゃうんですよね。
たたいたりするわけじゃないですけど
大きな動作で振り払ったりね。
私に対してはそうでもなかったけど
他の家族に対してはどんどんひどくなっていったかな。
で、ふと気が付いた。
にゃんごろーだけはっきり仔猫というような月齢で
うちのコになったんですよね。
抱っこし、頬ずりし
カワイイカワイイって構いすぎたんです。
もともとそのコの素養もあるとは思います。
じっと耐えるコもいるでしょうから
同じような扱いを受けても
噛んだりしてこない場合もあるでしょう。
でもにゃんごろーのように
一見、乱暴で凶暴に見えるコは
実はとっても繊細なタイプで
もう安心できない!って感じなんでしょうね。
にゃんごろーは
コタ姉が動くだけで自分に害をなす(振り払われる)と連想して
先制攻撃をしかけてくる。
コタ姉曰く、何もしてないのに噛みついてくるっていうのは
そういう状態なんでしょうが
そうなるとムカッときて振り払ったりしてしまい
余計関係が悪化。
でもふと気が付いてからはにゃんごろーには
私はもちろん、家族にも丁寧に対応するように
お願いしました。
例えにゃんごろーに向かって何かしたわけじゃなくても
にゃんごろーが「シャーっ!!!」って言ったら
(犬ならさしずめうなるとか歯をむくとか)
動作を止める。
にゃんごろーも動作を止めたら、そっと身体を引く。
ちょとずつですが関係は改善しつつあります。
・・・たまにコタ姉がイライラ!ってなって
三歩進んで二歩下がるときもまだありますが(汗)
にゃんごろーは私にも噛んでくることがありますが
たいていはにゃんごろーの前で
こちらが気づかず大きく腕を動かしたとかですかね。
それでも最近やっと「身」は噛まないで(笑)
服だけに噛みついてくるんでマシですが
噛みついてきたら穏やかに「痛いよ」って
引っ張りっこにならない程度に
そっと腕を引くようにしてます。
するとにゃんごろーもそっと離すようになりました。
コタローをはじめ
犬猫との関係において私の目標は
愛される飼い主より
安心される飼い主なので(笑)
過剰な愛情をかけるより
まず安心してもらえる人間になる。
なかなか難しいですけどね。
というわけで我が家もまだまだ修行中の身です。
まあ安心は不足すると大変だけど
過剰摂取しても問題ない。
コタローは安心しすぎで
飼い主の出迎えもまず出ないという・・・(笑)
愛情の過剰摂取はハラ壊しますよって
気をつけねばなりませんな(^_^;)
ヘンに大事に大事にされてる犬より
テキトーに育ててるように見える
近所のおっさんの犬の方が
飼い主大好き!に見えるのは
そういうとこかもしれないなぁ・・・。