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柴犬日記なのに
三毛猫の話ばかりで恐縮ですが
もう少しだけお付き合いください
なお、素人の知識ですので
誤り等もある可能性があることを
お断りしておきます。
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ケイトの横隔膜ヘルニアに気がついたのは
その呼吸の荒さからでした。
保護直後は
「ずいぶんやせてる猫ちゃんだな~」
ぐらいにしか思っていませんでした。
野良でしたし
きっとごはんが足りてなかったんだな、と。
保護直後の血液検査でも
取り立てて悪い数値はなく
このまま栄養を与えていれば
体重も増えていくのだと
預かってくれた友人ともども思っていました。
ただ日々観察していくと
気になる点がいくつか。
【症状1:呼吸が荒い】
通常、猫の呼吸は静かなものだそうです。
暑くても運動の後でも
犬のようにハアハアすることも稀だそうです。
ですがケイトはお腹で呼吸をします。
呼吸するたびにお腹がペコペコ。
しかも回数が多い。
友人が数えたところ、1分間に50回。
これは通常の猫(1分間に20~30回)の倍に相当します。
【症状2:じゃれない】
まだ1才になってないくらいの
若い猫と思われるのに
まったくじゃれようとしませんでした。
猫じゃらしも目で追うだけで無反応。
遊ばない猫もいるそうなのですが
症状1の呼吸の荒さを考えると
苦しいから遊ばないのでは・・・と推測しました。
【症状3:太らない】
保護直後よりは増えたものの
食欲は旺盛な割りに
それが体重に還元しないのです。
栄養摂取に血液検査には出ない
何らかの障害があるのではと
思われました。
中でも一番症状がはっきりしている
「呼吸が荒い」ことに注目して調べると
まず第一に「横隔膜ヘルニア」が上がってきました。
「息が荒い(呼吸が苦しそう)」に該当する病気 | Petwell(ペットウェル)
一見食欲もあり
血液検査上も異常のないケイトでしたが
「息が荒い」症状の病気は
どれも重症化しやすいものが多いため
できるだけ早く検査することにしました。
【診断】
地元の病院Aへ連れて行きました。
レントゲンを撮りそこで初めて
腹部の臓器がほとんど全部
胸部へとなだれこんでいる横隔膜ヘルニアと診断されました。
横隔膜ヘルニアには
先天的なものと後天的なものがあります。
先天的なものは生まれつき
横隔膜の形成不全等で
横隔膜に穴があき
そこから腹部の臓器が胸部へなだれこんでいるものです。
予防法はないのですが
遺伝的な要素が強いと思われるため
罹患している猫を避妊・去勢し繁殖させないことが必要です。
後天的なものの原因としては
交通事故、転落事故、猫同士のケンカ等で
横隔膜が損傷した場合です。
嫌な話ですが
人間に蹴られたなんてものもあります。
自転車にはねられたものも多いそうです。
予防法としては室内飼いの徹底しかないとのこと。
もし外に出る猫に
呼吸が荒い・動かない・嘔吐するなどの
症状が現れたらすぐに病院に行って
レントゲンを撮ることをおススメします。
背中側に肺が押しやられていたケイトは
間違ってもヘソ天で寝たことはありません(^_^;)
【対応】
横隔膜ヘルニアは
放っておいて自然治癒するものではなく
治療には外科的手術が必要となります。
手術は
1.お腹や胸を開ける
2.胸腔内に飛び出した内臓を腹腔内に戻す
3.破れた横隔膜を縫い合わせる
という内容のものですが
これが実は簡単なものではないようです。
後天的な横隔膜ヘルニアの場合
事故直後のショック状態を起こしている場合は
まず状態を安定させることが大切となるようです。
そこがまず第一の関門。
状態が安定しないようだと手術に耐えられません。
横隔膜ヘルニアで怖いのは
麻酔をかけたら心肺停止、なんてことに
なる可能性が大きいことです。
そして先天的な横隔膜ヘルニアの場合に
問題となってくるのが
はたして縫い合わせられるだけの横隔膜が
存在するかどうか。
そして先天的な場合
横隔膜ヘルニアに体が対応して成長すると
もう臓器を動かすことが難しくなることがあるようです。
無理に動かして腹部に戻したところで
正常に機能するかどうかわからない。
これは二番目に行った病院Bでも言われたことでした。
ケイトの体が横隔膜ヘルニアに
対応して成長しているのなら
そして今現在、日常生活が送れているのなら
無理に危ない橋を渡って手術することはない、と。
そして先天的・後天的に共通して言えることは
年単位で経過すると臓器の癒着が
起きている可能性です。
癒着が激しい場合は
臓器を引き剥がすことはできません。
しかもその状態は
開腹してみなければわからない。
上記のような理由から
手術が成功すれば
後遺症もなく予後も非常によいといわれる
横隔膜ヘルニアですが
その手術そのものの成功率は
あまり高くないようです。
麻酔のリスクはきわめて高く
獣医も積極的には手術をすすめませんし
飼い主も手術に消極的な場合が多いようです。
手術をしないで亡くなった場合も含めると
実際の死亡率はもっと高いのかもしれません。
もちろん、横隔膜ヘルニアを患いながら
10年生きる猫もいるそうです。
が、呼吸困難は一生続きます。
また腸や肝臓、脾臓、膵臓などが無理やり胸に入り込み
腹腔内の臓器もねじれて血行が悪くなることから
肝臓や胃の機能が悪くなる可能性が高いのです。
手術をしない場合は
少なくとも半年に1回のレントゲンと血液検査を
すすめられました。
消化器・循環器に機能障害が出てないかを
早期発見するためです。
ケイトのように肝臓も胃も腸も
胸部へ入ってしまったような場合
一度に多くの食事をとらせることも望ましくなく
少量ずつ何回にも分けて食べさせる必要があります。
そうして無事に10年たったあたりから
問題になってくるのが
心臓への負担。
シニアになって心肺の機能が低下したときに
なんらかの機能障害が出てくる可能性があります。
またシニアにならないまでも
いつ肝臓への血流が悪くなるかわからないので
吐き気をもよおすようになったら
危険な状態であるとのこと。
こうしたメリット・デメリットを考えて
対応を決めなくてはなりません。
【病院選び】
実はこれが最大の成功要因なのでは
なかろうかと思います。
横隔膜ヘルニアの手術経験があり
しかも成功例を多く扱っている病院は
そうそうありません。
そうなると大学病院や高度医療センターになるわけですが
それらは都市部にあり地方では望めません。
また直接行ってすぐに診てもらえるものではなく
紹介が必要です。
ケイトは運のよいことに
三番目に行った病院Cで
D外科獣医師を紹介していただけましたが
もしその出会いがなかったら
ネットで調べた高度医療センターに紹介してくれるという
市内の病院Eに行ってみるつもりでした。
(結局は行かずにすみましたが)
ただ大学病院や高度医療センターは
行くだけでも交通費も体も負担ですが
検査費・手術費・入院費となると
かなりの高額になるようです。
数十万から百万超えまで聞きました。
そうなるとやはり
手術はしてやれなかったかもしれません。
長くなってすみません!
後ちょっとケイトの手術についてのお話を次回。
でも階段なんて普通に上り下りできてました
獣医もビックリの基礎体力(^_^;)
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病院を何件も回られて頭が下がります。
そういえばなぜかつくばって、動物の二次診療機関がないのよね。。。千葉大にもないし。
勉強熱心な先生にめぐり合えてよかった。まきママさんの熱意がいろいろよいものを引き寄せたのだと思います。
★こぎママさんへ★
それでもまだ関東圏にいるだけ
マシなのかもしれません。
行く気になればいけないことはないですもんね。
今回、横にも縦にもつながりを持っている先生に出会えたことが
本当にラッキーでした。
獣医さんが他の病院の獣医さんと連携して
いろいろとやってくださるなんて
夢にも思わなかったですから。
芋づる式(?っていい表現じゃないですね(笑))に
いろいろと幸運がめぐってきて
動けば何かしらの成果って出るもんだなあと
しみじみ思いました~。