一家のご主人は仕事が忙しく週1、2回家に帰るかどうか。
主婦は長期病気療養中でずっと入院中。
娘はおばの家に預けられている状態。
こんな家に、犬がやってきたら・・・?
日常世話をしてくれる主婦も子供もおらず
週1回帰る一家の主が
1週間分のフードを山盛り皿に盛って
1週間分の水を給水器に入れる。
ケージの中しか知らないその犬は
誰もいない家の1週間、
山盛りのフードと給水器の水で過ごす。
・・・1才のオスのチワワの話です。
知り合いの家に、預けられた犬です。
半年前にも預けられました。
その時は人に怯え
四六時中マウンティングと尻尾を追いかける常同行動。
それを自分の家の犬と同じように接し
生まれてはじめてのシャンプーもし
犬同士の交流もさせ
でも。
預かり期間が過ぎたらまた飼い主の下へ。
今回預けに来た時は
飼い主の腕を振り切って
預かり主さんの腕の中に走ってきました。
ほとんど顔を見ることない娘さんや
週に1度ごはんを置いて行くご主人の下から
彼の犬生の中でたった1週間
でもたぶんいちばん愛情を受けた1週間
世話をしてくれた預かり主さんの下へ走ってきました。
元の飼い主さんは「煮るなり焼くなり好きにして」と言ってます。
おそらくは母親が入院中で寂しいであろう娘のために
ペットショップから買ってきた子犬です。
今回、チワワくんがいつもいるケージも給水器も
一緒にやってきました。
ケージの柵は超小型犬がここまでかじれるのかと
思うくらいかじられていました。
給水器は、ノズルの先にあるボールが降りてこなくなるくらい
変形するまでかじられていました。
水がなくなって給水器をかじってもかじっても
出ないときもあったかもしれません。
今でもフードをほとんど食べないその犬は
1週間置き去りにされたフードを食べて
お腹を痛くしたときがあったのかもしれません。
そんな時、どんなにケージの外に出たいと思っても
出ることは決してかないませんでした。
お散歩どころか日光にほとんど当たったことがありません。
肉球はぷにぷにのままです。
背骨は猫背に曲がっています。
毛並みはぼさぼさです。
自分で舐めて舐めて過ごしたのか
足の指の毛は真っ赤です。
それでも。
彼は人間を恨んでいません。
ほとんど初対面の私にも
尻尾をフリフリ
小さい身体で精一杯飛びつき
私の手を舐め
体中で愛情表現をするのです。
そして
預かり主さんの家の犬が
私に挨拶するときは
一歩引いてじっと待ってます。
どうしてこんな愛らしい子が
「いなくなっても構わない」と
言われなくてはならないのでしょうね。
飼い主さんにも言い分はあるでしょう。
一家の主婦が寝たきり状態で入院では
一般的な家庭生活は送れないでしょう。
自分の子も人に預けっぱなしなのに
犬の面倒まで見られるか!ということもあるかもしれません。
でも。
その状態で犬を連れて来たのは
ほかならぬご主人なのですよ。
もしかして。
ショップの店員は「散歩なんて要りません」って言ったのかもしれません。
「娘さんのいい遊び相手になりますよ」って言ったのかもしれません。
だけどだけど。
そんな小さい犬に、いったい何を求めて連れて来たのだろう。
人の力をなくしては生きられないような子犬に
いったいどんな過剰な期待をかけていたのだろう。
何をしてもらおうと思っていたのだろう。
どうして安らかに側で寝てくれることが
すばらしいことなのだと思わなかったのだろう。
どうしてその安堵の寝顔こそが
犬が家族に与えてくれるごほうびだと
気づかなかったのだろう。
そんな風に
犬が安心してくれるまで
大切に育ててあげられなかったのだろう。
面倒を見れない状況で
何かにすがるように子犬を買った飼い主が悪いのか
そんな飼い主に
ホイホイと売りつけたペットショップが悪いのか。
チワワくんは
落ち着いたらほんとの飼い主さん探しをする予定です。
今度こそ
側で安心して過ごせる飼い主さんを。
何かをして欲しいと思うのは欲望
何かをしてやりたいと思うのが愛情
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言葉を失いました。でも、まきママさんにチワワ君は命を救われて良かったです。それに飼い主さんの「煮るなり焼くなり好きにして」って、命ある生き物に使う言葉とは悲しいです。
★todaimoさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。
保護してるのは私ではなくて、娘の友人宅なのです(^_^;)
自分で煮たり焼いたりはしないけど
見えないところで煮たり焼いたりされるのは平気なのかもしれません。
これがもうちょっとマイナスに積極的な方向に向かうと
センターに飼い主持ち込み処分、ということになるのではと思います。
こんにちは。
昨日夜中にこの記事を見て泣いてしまいました。
わが家は半外飼いのケンシロウに安心と幸せを与えてあげられてるかどうか、いろいろ考えてしまいました。
傍から見たら、わが家の飼い方だってあまり自由がなくかわいそうだと言われるかもしれません。
愛情をもって接しているつもりですけど、ケンシロウはどう思っているんだろうと。
・・・っと脇道にそれてしまいましたが、チワワくんが今度はチワワくんをちゃんと愛してくれる家族に巡り会えますように、心よりお祈りしています。
★みんみんさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。
室内飼いか外飼いか、っていうことは
実はそれほど犬の幸せに影響がないんじゃないかと思うんですよね。
外飼いでも家族と十分触れ合って
散歩にも出してもらって
満足な犬生を送っている犬もいれば
このチワワくんのように室内飼いでも
不幸な犬生を送っている犬もいます。
ケンシロウくんの気持ちを思いやっていることだけでも
みんみんさんの愛情が伝わりますし
ケンシロウくんは幸せなんだな~ってわかります(*^_^*)
チワワくん、まずはお友達のおうちで体調を整えて
ホントの家族が見つかるように私も及ばずながら
応援して行けたらなあと思っています。
大阪の幼児がマンションで閉じ込められたままなくなった事件と同じだと思いました。
自分の力では生きてはいけないものを閉じ込めて生かせるだけ生かしておくような…。
確かに犬を飼うことは容易ではないこともたくさんあります。時には後悔することもあるでしょう。
でもそれ以上のことあると思うんですよね。
嘘をつかない瞳から助けられることあると思うんだけど…。こういう人は二度と生き物を飼うべきではないです。
★くりこさんへ
コメントありがとうございます。
そうですね、まさにこれは「ネグレクト」、消極的な虐待なんですね。
そして人間の子供でも犬でも、いちばん発覚しにくい虐待です。
この状態は生かす、というより積極的に殺さない、
っていうだけのことかもしれません。
それでもお留守番(留守番なんて生易しいものではないですが)中
一応窓を開けておいてくれたのが救いでした。
この猛暑の中、エアコンなしの密室では
命がなかったかもしれませんから。
決して死んでもいいと思っていたわけではないのでしょうけど。
>こういう人は二度と生き物を飼うべきではないです。
その通りですね。
仕事ではどんなに立派な社会人でも
この人は犬飼としては不適格です。
でも、この人がもう一度犬を飼おうと思ったら
飼えてしまう社会なのですよね。
・・・酷い話ですね・・・私も、大阪の幼い姉弟を思い出しました。
命を何だと思っているんだろう。
ヌイグルミじゃないのに。お人形じゃないのに。
チワワくん、今度は優しい人と出会えますように。
★海さんへ
コメントありがとうございます。
大阪の幼い姉弟も、なぜ周りが助けてやれなかったのかと思いますね。
その一方でご近所で「ん?その飼い方はどうだろう・・・」と
思うような家もありますが
でもやっぱり言えないものですよね(-_-;)
情けないです。
今度こそ、大切にしてくれる家族と会えるといいなぁと思います。
今までの一年を忘れてしまうくらい、幸せになれますように。
こんばんは。
皆さんのおっしゃる通り、本当にひどい話ですね。でもまきママ様のタイトル通り「身近で起きる」事なんですよねぇ。
私もコタロウを譲り受けて初めて知りました。そしてとっても身近にこんな事が起こっていることも。まきママさんのコタロー君のように安堵の寝顔がすべてのワンちゃんにできるようになる日が来てほしいです。
★がんちゃんさんへ
そうでしたね。
ブログ読ませていただきました。
コタロウくんもアンちゃんも、譲り受けた命でしたね。
がんちゃんさんとこに来て
ふたりとも幸せですね。
チワワくんにもそんな家族が見つかるとよいのですが。
そうそう、コタロウくんと同じく
チワワくんも預かりさん宅で改名しました。
「アル」・・・愛情が有るの「有る」だそうです。
存在の「在る」でもあるかもしれませんね。
P.S. バイクの背に乗る柴犬、かっこよすぎ!これぞオトコのロマンでしょう!
ブログ読んで頂き、ありがとうございました。
にわかブロガーなので、写真の構図も、日記の書き方もまだまだまきママさんみたいに楽しい内容ではないですが、コタ&アンの成長記録に、と思っています。アルちゃん(くん?)次なる幸せをきっとつかめると信じています!!
オトコのロマンはアメリカ産のバイクに純和風のコタが乗っているのでよく笑われますよ!
★がんちゃんさんへ
オトコのロマンを、女性がやってるってところがこれまたステキ(*^_^*)
うちのパパも40超えてから大型取ったんですけど
仕事が忙しくなかなかロマンを実現できてないですね~。
車で走っていても、バイクを見るとすぐあーだこーだと言っております。
きっとがんちゃんさんが走ってると
そういうオジサンたちの視線が熱いでしょうね(笑)
またちょくちょくお邪魔しまーす♪